和田仙心和尚と十八大菩薩による
声 明 法 要

2002年11月9日(土) PM5時
会場 掛川グランドホテル 


平成9年6月、ニューヨークのカーネギーホールに於いて南山新流の声明公演


日本の声明はまさに癒しの音楽であり、その波動は世界を越えている。
(ニューヨークの新聞に紹介された写真とコメント)


声明は大日如来のはたらき

声明伝授阿闇梨 荒 城 賢 真 

「声明」……一言でいうと「お経に節のついたもの」あるいは「仏徳を讃歎する歌」であろう。しかし古代インドにおいては、「五明」の一つであった。

「五明」とは明らかにすべき学問の種類としての五つの分野のことであり、その第一に「声明」、第二には「内明」、第三には「因明」、第四には「医方明」、第五には「工巧明」である。その第一の「声明」は文学・文法・発音・発声学に関する学問のことである。第二の「内明」とは仏陀の教学であり、第三の「因明」とは論理学、第四の「医方明」は医学、第五の「工巧明」は工芸・技芸・天文学等である。そしてこれら五明の中において「声明」をもってその本体となすと言われるほど、文字・文法・発音・発声学に関する学問が重要視されていた。

 文字には「形」と「音」と「意義」との三つの要素があり、そのうちの「音」に自然なる曲節がついて声楽という音楽となり、現今に伝わる仏徳を讃歎する仏教音楽としての「声明」に至った。しかしそれは決して発音・発声学を離れて存在するものでないことは言うまでもない。もちろん音楽である以上は「芸術」であり、聞く人に感銘、快感を与え、気持ちを和らげるものでなければならない。

 今の日本音楽といわれるもの、謡曲、能、狂言、浄瑠璃から浪花節にいたるまで、そのルーツは「声明」にあると言われ、邦楽の原点とされる。この仏徳を讃歎する「声明」をお唱えすることによって、仏に供養をなし法楽となすのであるが、それと同時に自分自身が浄められ三昧に入り、そして聞く人の耳を楽しませ、心が癒されるのである。

 「声明」は、基本的に宮、商、角、徴、羽の五つの音階から成り立っており、その五音自体がそれぞれ五如来に配され、音働そのものが大日如来の働きなのである。小鳥のさえずり、川のせせらぎの音が大日如来の説法であると同時に、「声明」も大日如来の法身説法にほかならない。一字頂輪王時処軌には、「声明」の歌詠の法をもって成仏への道であるとさえ記されており、「声明道」すなわち「成仏道」なのである。

 法会には「声明」は欠かすことができない。仏徳を讃じ、己を三昧に入らせ、聴衆の耳を楽しますことは先に述べたが、この「声明」から出る波動が導師(加持者)の加持力を大きく増幅させる効果があることが、法会に「声明」を必要とする大きな要因であると私は確信している。

 今回の声明法要、和田仙心僧正の加持力(パワー)が声明によって増幅せられ、皆様の心にどう響くか、あるいは皆様の心にどう映るか、ゆったりと瞑想して充分にあじわっていただきたい。
合 掌